私はハローワークに勤めています。主に新卒から30代までの若い方を対象にしています。
ハローワークでの仕事は大変だけどやりがいがある
ハローワークの役割と仕事の概要
ハローワークは、厚生労働省が管轄する公共職業安定所であり、地域の人々の就職・転職活動を支援する重要な役割を担っています。求職者への職業相談や求人紹介だけでなく、失業給付の手続きや雇用保険の管理、さらには企業への求人受理や雇用支援など、多岐にわたる業務があります。
求職者への支援

窓口では毎日、多くの求職者が訪れます。相談員は利用者の経歴や希望を丁寧に聞き取り、職業紹介につなげます。若年層から中高年、再就職を目指す方、障害のある方まで、対象は幅広く、対応には柔軟さが求められます。
企業との調整
求人を出す企業側へのサポートも大切な仕事です。人材確保に悩む中小企業の担当者と打ち合わせを行い、求人票をより魅力的に改善する提案をすることもあります。利用者と企業の両方をつなぐ「橋渡し役」としての存在感が大きいのが特徴です。
ハローワークの仕事が大変といわれる理由
やりがいを感じられる一方で、「大変な仕事」という声も少なくありません。その理由はいくつかあります。
相談件数の多さ
窓口には一日数十人規模の相談者が訪れます。1人あたり20分〜30分程度の面談を重ねると、時間管理や集中力の維持が大きな課題になります。繁忙期には予約が埋まり、利用者を待たせてしまうことへのプレッシャーも大きいです。
多様なニーズへの対応
求職者の状況は千差万別です。経済的に切迫した人や、精神的に不安定な人も少なくありません。その一人ひとりに寄り添いながら適切な助言を行うには、高い傾聴力と臨機応変な判断力が必要です。
制度・法律知識のアップデート
雇用保険制度や各種助成金は毎年のように改正されます。その都度正しい情報をキャッチアップし、誤解を招かない説明を行わなければなりません。知識の更新が追いつかないと、窓口での対応に支障をきたす恐れがあります。
それでもやりがいを感じる瞬間
では、なぜ多くの職員が「大変だけどやりがいがある」と語るのでしょうか。
利用者の「ありがとう」に励まされる
最も大きなやりがいは、就職が決まった利用者からの感謝の言葉です。長い間仕事が見つからず不安を抱えていた方が、新しい職場で再出発する姿を見ると、自分の仕事が社会に役立っていると実感できます。
地域社会への貢献
ハローワークは地域密着型の公共機関です。地元企業の採用活動を支援し、地域の雇用を守る役割を担っています。地元経済の活性化に直接貢献できる点も、大きなやりがいにつながります。
キャリア支援の専門性を活かせる
相談員の多くはキャリアコンサルタント資格を持っています。専門知識を活かして求職者の強みを引き出し、自信を取り戻してもらえる瞬間は、この仕事ならではの喜びです。
働く上で求められる資質
ハローワークでの仕事に向いている人には、いくつかの特徴があります。
コミュニケーション能力
利用者の話をしっかり聞き、共感しながら適切な助言をするためには高いコミュニケーション力が欠かせません。単なる情報提供ではなく、信頼関係を築く姿勢が重要です。
ストレス耐性
日々多くの相談を受けるため、精神的に疲弊することもあります。気持ちを切り替え、冷静に対応できるストレス耐性があると続けやすいでしょう。
学び続ける姿勢
制度改正や雇用情勢の変化に対応するには、常に知識を更新する姿勢が求められます。新しい情報を吸収し、分かりやすく伝える力があると利用者に信頼されます。
ハローワークの将来とキャリア展望
近年はオンラインサービスの拡充や、民間就職支援サービスとの連携強化が進んでいます。それに伴い、職員の役割も「紹介」から「伴走支援」へと変化しています。今後はより一層、専門性と人間力を兼ね備えた支援が求められるでしょう。
ハローワークでの経験は、キャリア支援のプロフェッショナルとしてのスキルを磨く貴重な機会でもあります。相談業務の経験を活かし、キャリアコンサルタントや人材業界での活躍につなげる人も少なくありません。
まとめ
ハローワークの仕事は、相談件数の多さや多様な利用者への対応、制度知識の更新など、大変な要素が多いのは事実です。しかし、その一方で「人の人生の転機に寄り添い、社会に直接貢献できる」というかけがえのないやりがいがあります。
大変さとやりがいが表裏一体となった職場だからこそ、使命感を持って働く人が多いのです。